研究概要 |
今年度は1.黒潮続流域における海面熱フラックスの時空間変動に着目したGPSゾンデ観測データ,船舶観測データおよび衛星観測データの解析 2.みらいMRO7-01観測航海時の領域大気モデルによる数値実験とその出力データの解析を行った。 1.に関しては,2007年2-3月に行われた北太平洋における観測船「みらい」のデータ(GPSゾンデ観測データおよび海洋気象観測データ)を用いて,KEOブイとJKEOブイ問の海面熱フラックス変動について調べた。その結果,黒潮続流域における海面熱フラックスの時間変動は寒気移流の影響を強く受けるものの,空間変動に関しては海面水温の空間構造を強く反映したものであることが分かった。 2.に関しては領域大気モデルに黒潮および黒潮続流に伴う水温変化を反映した高解像度の海面水温分布を与えた実験(Control実験)と,ガウシアンフィルターによって平滑化した海面水温分布を与えた実験(Smoothed実験)を2007年2-3月の約1ヶ月間を対象にして行った。その結果,黒潮続流域の海面熱フラックス変動は「みらい」航海時の特徴を概ね再現しており,海面熱フラックスの空間構造は海面水温フロントの暖水側で極大となった。また,Smoothed実験ではControl実験よりも海面熱フラックスの極大域がよりbroadになってしまうことから,海面熱フラックスの空間構造は海面水温分布に強く影響を受けることを示唆している。
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