研究課題
本年度は太陽電池の受光面積を広く確保するため、より細い電極溝の作製のため、大気圧以上の高気圧下で生成した沿面放電プラズマを用いて細い幅の電極溝の作製を行った。並びに、背後電極長を変化させた際に沿面放電プラズマによるエッチングが与える影響について明らかにした。高気圧下で生成した沿面放電による電極溝の作製に関してはAr=900sccm、CF_4=300sccmガスにて1.5気圧下で生成した沿面放電プラズマにより基板表面に膜厚約150nmで形成された単結晶シリコン基板(40mm角)のエッチングを行った結果、放電維持電圧4.8kV、処理時間10sで大気圧時では電極溝幅約220μmであるのに対し、1.5気圧では83μmと細い電極溝の作製に成功した。なお、沿面放電プラズマはガス圧力の上昇に伴い、放電は収縮・局在化するため、細い電極溝の作製が可能となる。次に、背後電極長を1-10mmと変化させた場合、凸型誘電体側面を沿って生成される沿面放電は背後電極の長さに比例して伸展することが明らかとなった。また、エッチングは背後電極長が短い程、細い電極溝の作製が可能となり、大気圧、Ar=700sccm、CF_4=300sccm、放電維持電圧3.6kV、処理時間10sにおいて幅75μmの電極溝の作製に成功した。これは、放電電流波形から沿面放電プラズマ生成時に発生する数nsオーダの電流パルスは背後電極長が長い場合、大きいことから、放電内部におけるラジカルの生成量が多く、エッチングにはラジカルの生成量が大きく影響を与えることが明らかとなった。従って、幅の細い電極溝の作製には、1.5気圧程度の高いガス圧力下で沿面放電を生成し、背後電極長を短く設定することで、細い電極溝の作製に有効であることが明らかとなった。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)
Proc. of 18th International Symposium on Plasma Chemistry No.28-P74
Proc. of 2007 Japan-Korea Joint Symposium on Electrical Discharge and High Voltage Engineering No.16B-p5
ページ: 91-94