研究概要 |
本研究では、直線型プラズマ発生装置において磁気ノズルによりプラズマ流速を変化させ、プラズマ流速の違いによって非接触プラズマの構造(電子・イオン温度、密度分布、電位構造等)がどのように変化するか、また、非接触プラズマの形成によりプラズマ流速やその空間分布がどのように変化するのかを、主としてプローブ計測により明らかにしていくことを目的としている。 本年度はプラズマテスト部の中性ガス圧力を上昇させて非接触プラズマを生成し、テスト部の中央付近のプラズマ流速計測をマッハプローブを用いて行った。非磁化条件下におけるマッハ数評価式(Free Fall Model)によりマッハ数を評価し、中性ガス圧力の上昇に伴い、マッハ数は単調に減少する結果を得た。非接触プラズマの電離フロントにおいてマッハ数の上昇が流体シミュレーションによって予測されていたが、本実験では観測されなかった。現在、運動量損失の影響を考慮した、非接触プラズマ構造変化に関する一次元流体モデルによる解析と実験結果の比較を行っており、これらの成果は11th International Workshop on Plasma Edge Theory in Fusion Devices, May 2007, Takayamaにて発表予定である。 また、本年度の研究実施計画に基づき、磁気ノズル配位形成のための磁場コイルと電源の準備が完了し、磁気ノズル配位におけるプラズマ流速制御の基礎データの収集の準備を進めているが、真空排気系の増強については磁場コイル設備導入との関係で行えなかったため、非接触プラズマを発生させるためのガス圧制御が困難であったが、本年度は排気方法を工夫することで対応した。
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