| 研究概要 |
これまでに、表面力測定、ATR-FTIR、吸着等温線測定を組み合わせた新規方法論を用い、2成分液体中のシリカ表面に吸着したアルコール,カルボン酸などが、水素結合により厚み数10 nmの規則構造を形成することを見いだしている (表面分子マクロクラスター)。本研究課題では、この分子マクロクラスターの形成により発現する長距離引力、クラスターの構造およびダイナミクスとの相関を分子レベルで理解し、微粒子の分散制御、微粒子集積・配列への応用指針を示すことを目指している。
昨年度までに、界面分子マクロクラスター形成により発現する長距離引力の理論解析により、界面分子マクロクラスター-バルク溶液界面のエネルギーの評価を行い、完全混合する2成分液体に対しても、バルクの液一液界面のエネルギーの一桁以上大きい界面エネルギーが発現することが分かってきた
従来、全反射赤外吸収分光法の偏光解析に基づき、表面の水酸基から水素結合によりつながった鎖状のクラスター形成を予測しており、この構造では界面に非会合の水素結合性官能基が存在するため、高い界面エネルギーが発現すると考えられる。
また昨年度は金蒸着表面上に調製した末端にOH基(或いはCOOH基)をもつアルカンチオール誘導体の自己組織化膜表面を用いた表面増強全反射赤外吸収スペクトルの条件検討を行い、界面の極近傍(〜10nm以下)の評価が可能となった。
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