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2006 年度 実績報告書

DNA内過剰電子移動のダイナミクス解析による核酸塩基損傷反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18750009
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 健雄  京都大学, 工学研究科, 助手 (80378801)

キーワード電子移動 / 核酸 / 時間分解分光測定 / 核酸塩基損傷 / 過剰電子
研究概要

DNA二重鎖中に光誘起電子供与体と受容体を導入し、時間分解レーザーフラッシュフォトリシス分析により、生成するラジカルイオンの生成・減衰の動的挙動の解析をおこなった。
1、DNAへの過剰電子注入のための光誘起一電子還元剤として、電子供与性ラジカルアニオンを生じるアントラキノン、およびフェノチアジン、ジベンゾフェノン誘導体のスクシンイミジルエステルを合成し、別途DNA自動合成機により合成したアミノリンカーを有するDNAと縮合した。他方、電子受容体にはシアノアントラセンあるいはフルオレノンを選択し、同様にDNA内への導入を試みた。いずれの場合にも生成物を高速液体クロマトグラフィーで単離精製し、目的DNA鎖を得ることに成功した。
2、ラジカルイオン中間体の挙動観測をナノ秒領域で行うために、上記で合成した試料に対してDNAの吸収波長とは異なる波長(355nm)において電子供与体へのYAGレーザー励起を行い、生成するラジカルカチオンおよび、電子移動により生成する電子受容体のラジカルアニオンのスペクトル経時変化を測定した。プローブとして、フェノチアジン、ジシアノアントラセンを用いた場合には、それぞれの過渡吸収が弱く明らかの吸収変化が観測できなかった。また、ジベンゾフェノン-フルオレノンを用いた場合には、2つのプローブのDNA内距離に依存して反応速度が変化する様子が観測されたが、その依存性がDNA内を経る電子移動反応によるのか、あるいは直接電子移動反応に由来するのか区別するには至らなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Photoinduced Reductive Repair of Thymine Glycol : Implications for Excess Electron Transfer through DNA Containing Modified Bases2006

    • 著者名/発表者名
      Takeo Ito, Akiko Kondo, Satoru Terada, Sei-ichi Nishimoto
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 128・33

      ページ: 10934-10942

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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