微少反応セル中における一分子計測のための装置を開発し、下の知見を得た。 1.単一分子の電気伝導度を計測するための計測装置を開発し、金原子からなる量子ポイントコンタクトの電気伝導度を数十秒間維持することに成功した。 2.オリゴチオフェン分子ワイヤーの単一分子電気伝導度を計測することに成功した。オリゴチオフェン分子内の電気伝導度はチオフェン環23個まではトンネル伝導を示し、それ以上のときにはホッピング伝導を示すと考えられる結果が得られた。ホッピング伝導領域では、電気化学ドーピングによる電気伝導度の変調が可能と考えられ、1の結果とあわせてイオン液体中で微量分析モデルが開発された。 3.原子間力顕微鏡の針の先端に塗布した種々の低分子有機半導体を絶縁体基板上に書き込むことに成功した。イオン液体のリソグラフィーへの展開が可能となる。
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