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2006 年度 実績報告書

赤外吸収分光による巨大水和クラスターの相状態変化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18750017
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

松本 剛昭  兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 助手 (30360051)

キーワード赤外分光 / 巨大クラスター / 水素結合 / 固体結晶構造 / 相状態変化
研究概要

巨大サイズクラスターの効率的な生成方法を模索している段階で、計画当初に想定していた水よりも、アンモニアの方がクラスターサイズや相状態の制御が容易であることがわかってきた。そこで、巨大アンモニアクラスターの生成法制御の確立、及び赤外キャビティリングダウン分光によるNH伸縮振動の観測を行い、水素結合構造、及び相状態についての解明を行った。以下に、詳細を述べる。
(1)クラスター生成は、スリット型、ピンホール型の二種類のパルスノズルによる超音速ジェット法により行った。後者の方が前者よりもジェット冷却効率が良いことから、サイズの大きいクラスターの生成が容易であることがわかった。UBuckらのフラグメント赤外分光の結果と比較すると、スリット型で生成されるクラスターの上限サイズは約100量体、ピンホール型での上限サイズは約1000量体であることがわかった。
(2)アンモニアクラスターの赤外スペクトルを測定すると、低波数側のモード1、高波数側のモード3が主に観測される。ジェット条件を変えてクラスターサイズを増加させると、モード1に対するモード3の吸収強度比が急激に増大し、更にモード3のバンド幅が減少していくことが観測された。これは、クラスターが1000量体程度の巨大サイズに成長すると、水素結合構造が固体結晶のような一定方向へ配列したような構造になることを示唆する結果である。
(3)赤外分光により得られたモード3の狭帯化を理論的に説明するために、GAUSSIANプログラムを用いた量子化学計算(HF/6-31+G(d,p))を行った。7、19、31量体の安定構造を結晶配位に基づいて計算し、その基準振動を求めたところ、上記のような小さいサイズにおいても、狭帯化を再現する興味深い結果が得られた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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