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2006 年度 実績報告書

放射光X線による極微小単結晶X線構造解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18750023
研究機関(財)高輝度光科学研究センター

研究代表者

安田 伸広  (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・動的構造チーム, 研究員 (10393315)

キーワード単結晶X線構造解析 / 微小結晶 / 放射光 / 結晶相反応 / 結晶構造 / 分子構造
研究概要

本研究は、SPring-8放射光の1)高輝度性2)平行性3)高コヒーレンス性を最大限に利用し、サブμm角の極微小単結晶X線構造解析法を開発することを目的としている。具体的には軽原子のみからなる有機化合物では1μm角、遷移金属錯体・無機化合物ではサブμm角の単結晶1粒からの構造決定を目指す。以下に研究結果を示す。
アンジュレータービームラインであるBL40XUにおいて、極微小単結晶構造解析装置の立ち上げを行った。この装置にはゾーンプレートを使用した集光系があり、ビームサイズが2μm〜290nm、輝度が集光前の500倍のX線を得た。また、CCD検出器の回折強度データのS/N比向上のため、空気散乱の低下や結晶の固定方法、測定のストラテジについて検討し、用具の作成・検証を行った。
その結果、有機化合物であるシチジンでは2μm角、無機化合物であるBaTiO3では500nmφの単結晶から十分な回折強度データが得られ、その結晶構造解析に成功した。また、回折写真の解析から300nmφのBaTiO3単結晶1粒からの構造解析が可能であることを確認した。
この極微小単結晶構造解析法を結晶相反応へと適応させるため、熱反応後に結晶性が劣化する有機化合物methyl 4-(dimethyl anlino)benzenesulfonateの反応多結晶中の微小単結晶領域を使用した回折強度測定を行い、分子・結晶構造を明らかにした。
上述の通り現段階で500nmφの無機化合物の結晶構造解析が可能である。この大きさは結晶内部まで光照射することが可能な大きさであり、結晶全体を光誘起相転移させた状態での結晶構造解析が可能であると考えられる。今後は、さらなるS/N比の向上により、達成していない1μmの有機化合物結晶の構造解析を可能にするとともに、光誘起相転移を示す化合物の転移前後の構造変化を精度良く解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] X-ray Pinpoint Structural Measurement for Nanomaterials and Devices at BL40XU of the SPring-82007

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Kimura
    • 雑誌名

      AIP Conference Proceedings 879

      ページ: 1238-1241

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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