研究概要 |
フォトクロミック化合物を用いた応用実験において,蛍光性メソポーラス薄膜の光スイッチングに成功した。 パイ系有機基を持つトリエトキシシリル置換有機基は界面活性剤,酸からなるゾルーゲル溶液をスピンキャストすることでメソポーラス有機シリカ薄膜を生成する。このゾルーゲル溶液にフォトクロミック化合物であるジアリールエテンを添加して薄膜を作製すると,ジアリールエテンを薄膜中モノマー有機基で構築されたメソ細孔の内部に導入できた。 細孔内のジアリールエテンは溶液中同様に可逆的なフォトクロミズムを示し,さらに細孔壁を構成する有機基由来の蛍光は,このフォトクロミズムに従って可逆的な蛍光強度変化が起こった。 この変化は薄膜中のメソポーラスシリカの骨格有機基とフォトクロミック分子間がフェルスター型エネルギー移動の十分起こる配置に置かれていることに由来していると考えられる。
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