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2007 年度 実績報告書

パラジウム錯体により促進される遷移金属ヒドリド錯体の炭素-炭素不飽和結合への付加

研究課題

研究課題/領域番号 18750043
研究機関東京農工大学

研究代表者

小峰 伸之  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (90302918)

キーワード遷移金属ヒドリド錯体 / 炭素-炭素不飽和結合への付加 / パラジウム錯体 / ホスフィン配位子 / コーンアングル
研究概要

モリブデンもしくはタングステンヒドリド錯体MHCp(CO)_3(M = Mo,W)のアルケンへの付加の反応速度は、パラジウム錯体のホスフィン配位子の立体的な要因によって大きく変化する。すなわち、ホスフィン配位子のコーンアングルが中程度のトリフェニルホスフィンやジフェニルメチルホスフィンに比べ、よりかさ高いホスフィンや、逆にコーンアングルの小さなホスフィンほど挿入反応が促進される傾向が確認された。特に、非常にかさ高いトリ(ο-トリル)ホスフィンもしくは非常なコンパクトなトリメチルホスフィンを添加したときに反応が大幅に加速されることが明らかとなった。また、パラジウムに対してホスフィンの添加量を変化させ、反応速度に及ぼす影響を調べたところ、トリ(ο-トリル)ホスフィンは1等量、トリメチルホスフィンは2等量、それぞれ用いた時に最も速く反応が進行することが明らかとなった。このことより、非常にかさ高いホスフィンではモノホスフィン錯体が、コンパクトなホスフィン配位子ではビスホスフィン錯体が、活性種として触媒反応が進行していることが示唆された。また、WHCp(CO)_3とアルケンの反応でトリ(ο-トリル)ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィンのそれぞれのパラジウム触媒系で、反応速度における基質や触媒の濃度依存性について検討した。さらに、それぞれの系でWDCp(CO)_3による重水素ラベル実験を行った。その結果、コーンアングルの大きいホスフィンと立体的にコンパクトなホスフィン配位子では反応の律速段階が異なることも明らかとなった。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] E-Selective Allyl transfer reaction in μ-η^1:η^2-Crotylplatinum-cobalt complex2008

    • 著者名/発表者名
      N. Komine, et. al.
    • 雑誌名

      Organometallics 27

      ページ: 2145-2148

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis and Reactions of Heterodinuclear Organopalladium Comples Having Unsymmetrical PN Ligand2007

    • 著者名/発表者名
      N. Komine, et. al.
    • 雑誌名

      J. Organomet. Chem. 692

      ページ: 4486-4494

    • 査読あり
  • [学会発表] トリメチルおよびジメチルフェニル白金-マンガン二核錯体におけるメチル基選択的移動反応2008

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-30
  • [学会発表] 有機白金-マンガンヘテロ二核錯体によるチエタン類の開環反応2008

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-30
  • [学会発表] パラジウムまたは日金0価錯体とη^3ーアリル白金錯体との反応2008

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-30
  • [学会発表] 水/ヘキサン二相系界面で起きるPd触媒によるべンゼンチオールの位置選択的アリル化反応2008

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] μ-η^1:η^2-アリル白金-コバルト.パラジウムまたは白金二核錯体の合成と選択的アリ基移動反応2007

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      第54回有機金属討論会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2007-10-27
  • [学会発表] 有機白金-マンガン二核錯体とチエタン類との反応による架橋チアマンガナサイクル-白金二核錯体の生成機構2007

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      第54回有機金属討論会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2007-10-27
  • [学会発表] 水溶性ジメチルパラジウム錯体の合成と重水により促進される水中での還元的脱離反応2007

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      第57回有機金属討論会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      2007-09-26
  • [学会発表] トリメチル白金-遷移金属ヘテロ二核錯体の合成とメチル基移動反応2007

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      第57回錯体化学討論会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      2007-09-25
  • [学会発表] アルキリデン基をもつ白金及びパラジウムヘテロ二核錯体の合成と反応2007

    • 著者名/発表者名
      小峰, ら
    • 学会等名
      第100回触媒討論会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-20

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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