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2006 年度 実績報告書

刺激応答性ベシクルを利用する高感度電気化学検出バイオ分析チップの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18750056
研究機関北海道大学

研究代表者

石田 晃彦  北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (20312382)

キーワードマイクロチップ分析 / 微小流体 / 電気化学検出 / 微小電極 / くし形電極 / ポリジメチルシロキサン
研究概要

微小流路内で電気化学活性物質を高感度に検出するため電極形状について検討した。フロー系でバンド状電極を用いて検出する場合,物質が電極反応で消費されながら流れるため,電極面上には流れ方向に濃度が低くなり,電極垂直方向の濃度勾配(電極面上で濃度は0で,電極面から遠ざかるほど濃度は高くなる)が小さくなるという濃度分布が生じる。また,得られる電流は電極面上の濃度勾配の面積分に比例する。そのため,電極面を流れ方向に大きくしてもそれに比例して電流が大きくならないことをこれまでの検討で実証した。本研究ではこの検討に基づいて,電極形状をバンド状からいくつかの細いバンドに分けたくし形に変えたところ,大きな電流が得られることを確認した。これは電極反応が起こらないくし間隔部分で上述の濃度分布が解消し一様に高い濃度で次の電極に流れることにより,どのくし電極上でも同様の濃度勾配が形成されるためと推察される。そこで,電極(金薄膜電極)をもつポリスチレンチップと流路となる溝をもつポリジメチルシロキサンチップからなる微小流体デバイスを作製し,くし間隔およびくし本数について検討した。くし幅は可能限り小さくし,すべて50μmとした。2本のくし形電極でくし間隔と電流値の関係を検討したところ,くし間隔の増加とともに電流値は増加し,その後最大一定となった。最大一定になることはその間隔で濃度勾配がほぼ完全に解消することを示している。また,最大の電流値は同面積のバンド状電極の電流値より約8倍大きかった。次に,そのくし間隔に固定し,くし本数を増加させたところ,電流はほぼ直線的に増加した。以上,微小流体デバイスにおいてくし形電極が高感度検出に有効であることを明らかにするとともに,感度の向上に対するくし間隔および本数の効果を明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Reversed-phase liquid chromatography on a microchip with sample injector and monolithic silica column2006

    • 著者名/発表者名
      A.Ishida, T.Yoshikawa, M.Natsume, T.Kamidate
    • 雑誌名

      Journal of Chromatography A 1132

      ページ: 90-98

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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