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2006 年度 実績報告書

接触反応/微小場反応システムを利用するヒト代謝物質のオンサイトアナライザーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18750067
研究機関愛知工業大学

研究代表者

手嶋 紀雄  愛知工業大学, 工学部, 助教授 (30292501)

キーワードバナジウム定量 / 吸光光度分析 / 接触分析 / p-アニシジン / 臭素酸塩 / タイロン / フローインジェクション分析 / ストップフロー
研究概要

インシュリンは体内で糖代謝を行う。最近,ヒトの臨床実験から,バナジウムにインシュリンの作用を促進する働きがあることが見出された。しかし,その作用機作は不明な点が多い。また,ヒトの血清中のバナジウム濃度は,多くの場合100μg/L(ppb)以下であり,高感度な分析法が求められる。そこで本年度は,糖尿病に深く関わるバナジウムの高感度分析法の確立を行った。分析技術には,微少量の試薬溶液で分析可能な流れ分析法(フローインジェクション分析(FIA)法)を用いた。FIA法では,キャリヤー溶液と試薬溶液を一定流速(約0.5mL/min)で流し,キャリヤー溶液にサンプル溶液を注入して,サンプル濃度に比例したFIAピークを得る。バッチマニュアル分析法に比べれば試薬量は大幅に削減できるが,試薬溶液を常に流し続けることになる。従って,特に反応時間が長い反応系を扱う場合は,試薬の消費量が反応時間に比例して増大してしまう。そこで,反応溶液をループ内に隔離することにより,流れが止まった状態で反応を促進させ,この間,ポンプを止めて試薬を流さない新しい流れ分析技術を考案した。測定の直前にポンプを再作動し,べースラインを形成させた上で,その流れに反応溶液を注入して測定するので,最小限の試薬で高感度分析を行うことが出来た。この方法をストップトーインーループフロー分析(SIL-FA)と呼ぶ。微量バナジウムの定量のために,バナジウムが接触(触媒)作用を有するp-アニシジンの臭素酸塩による酸化発色反応(極大吸収波長523nm)を開発した。この接触作用はタイロンにより活性化されることも見いだした。この接触作用をSIL-FA法へ導入したところ,0.05〜2ppbのバナジウムを定量することができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] アナターセ型酸化チタンの光触媒反応によるクリスタルバイオレットの脱色機構及び分解生成物の解析2007

    • 著者名/発表者名
      手嶋紀雄, 山本真吾, Qinghe Zhang, 山田善市, 酒井忠雄
    • 雑誌名

      分析化学 56

      ページ: 99-106

  • [雑誌論文] Stopped-in-loop flow analysis of trace vanadium in water2007

    • 著者名/発表者名
      Norio Teshima, Shinsuke Ohno, Tadao Sakai
    • 雑誌名

      Anal.Sci. 23

      ページ: 1-2

  • [雑誌論文] Sequential injection lab-on-valve simultaneous spectrophotometric determination of trace amounts of copper and iron2006

    • 著者名/発表者名
      S.Ohno, N.Teshima, T.Sakai, K.Grudpan, M.Polasek
    • 雑誌名

      Talanta 68

      ページ: 527-534

  • [雑誌論文] One-shot flow injection spectrophotometric simultaneous determination of copper, iron and zinc in patients' sera with newly developed multi-compartment flow cell2006

    • 著者名/発表者名
      N.Teshima, S.Gotoh, K.Ida, T.Sakai
    • 雑誌名

      Anal.Chim.Acta 557

      ページ: 387-392

  • [雑誌論文] On-Line Preconcentration and Determination of Phenols at Sub-ppb Levels Using Three Switching Valves2006

    • 著者名/発表者名
      Tadao Sakai, Shun-ichi Fujimoto, Keiro Higuchi, Norio Teshima
    • 雑誌名

      American Laboratory News 38(15)

      ページ: 40-41

  • [雑誌論文] 反応速度を用いる分析法2006

    • 著者名/発表者名
      手嶋紀雄, 酒井忠雄
    • 雑誌名

      ぶんせき 2006

      ページ: 215-220

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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