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2007 年度 実績報告書

オリゴ糖ライブラリー構築のための連続的電解グリコシル化反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18750085
研究機関京都大学

研究代表者

野上 敏材  京都大学, 工学研究科, 助教 (60402963)

キーワード電解酸化 / グリコシル化反応 / チオグリコシド / グリコシルトリフラート
研究概要

アミノ糖は生理活性を示すオリゴ糖に多く含まれる単糖であるため、オリゴ糖ライブラリーへの導入が不可欠である。本年度はヘキソースを用いて明らかにした知見を基に、電解グリコシル化反応のアミノ糖への基質拡張と反応中間体の解明、並びに活性種の変換を行った。
まず、アミノ糖を与える糖供与体として2-アジド基や2,3-オキサゾリジノン骨格を有するチオグリコシドを用い、糖受容体の非共存下での低温電解酸化を行った。この電解後の溶液を低温NMRにより分析し、発生した化学種はα-グリコシルトリフラートであることを明らかにした。これらのグリコシルトリフラートを用いたグリコシル化反応を行ったところ、糖受容体によって差はあるもののβ-選択性が発現することが分かった。また、糖供与体の水酸基上の保護基によっては、反応後に昇温することでα体への異性化が進行することが明らかになり、α体とβ体が選択的に合成出来ることも分かった。本手法は単一の糖供与体から反応条件の違いによってα体とβ体を作り分けることが出来る点でオリゴ糖ライブラリー構築上、有用である。
さらに2-アジド基を有するチオグリコシドから発生させたα-グリコシルトリフラートに対してスルフィドを作用させることで、スルフォニウムイオンへと定量的に変換できることを見出した。このスルフォニウムイオンの構造、反応性を明らかにすることはグリコシル化反応の立体選択性発現のメカニズム解明や新規立体制御手法の開発につながる点で極めて重要であり、現在も検討中である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Synthesis of a Sialic Acid (2-3) Galactose Building Block and Its Use in a Linear Synthesis of Sialyl Lewis2007

    • 著者名/発表者名
      Hanashima S., et. al.
    • 雑誌名

      Organic Letters 9

      ページ: 1777-1779

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「カチオンプール」法による有機ケイ素カチオンの発生2007

    • 著者名/発表者名
      吉田潤一、野上敏材
    • 雑誌名

      ケイ素化学協会誌 24

      ページ: 59

  • [雑誌論文] Electrochemical Generation of Glycosyl Triflate Pools.2007

    • 著者名/発表者名
      Nokami T. et a1.
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 129

      ページ: 10922-10928

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Integrated Micro Flow Synthesis Based on Sequential Br-Li Exchange Reactions of p-, m-, and o-Dibromobenzenes.2007

    • 著者名/発表者名
      Nagaki A. et a1.
    • 雑誌名

      Chemistry an Asian Journal 2

      ページ: 1513-1523

    • 査読あり
  • [学会発表] チオグリコシドの有機電気化学的手法によるグリコシルトリフラー卜への変換2008

    • 著者名/発表者名
      野上敏材, 他6名
    • 学会等名
      電気化学会第75回大会
    • 発表場所
      山梨大学、甲府
    • 年月日
      2008-03-30
  • [学会発表] ジアリールカルベニウムイオンプールの連続的な集積化によるデンドリマーの迅速合成2008

    • 著者名/発表者名
      井上雅史, 他8名
    • 学会等名
      日本化学会第88回年会
    • 発表場所
      立教大学、東京
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] デンドリマー状カチオンプールの構造と反応2008

    • 著者名/発表者名
      大畑公祐, 他8名
    • 学会等名
      日本化学会第88回年会
    • 発表場所
      立教大学、東京
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] チオ糖の電解酸化によるグリコシル化反応2008

    • 著者名/発表者名
      津山博昭, 他4名
    • 学会等名
      日本化学会第88回年会
    • 発表場所
      立教大学、東京
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] 電気化学的手法による2-アミノ-2-デオキシグリコシルトリフラートの発生2008

    • 著者名/発表者名
      渋谷章人, 他6名
    • 学会等名
      日本化学会第88回年会
    • 発表場所
      立教大学、東京
    • 年月日
      2008-03-27

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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