生体系においては、二重らせん、三重らせんDNAやタバコモザイクウィルス、微小管などが存在し、それらは優れた超分子形成によって形成されており、超分子ポリマーの良い例と言え、生命科学現象の特異的な構造の形成や機能の発現と深く関係しているからである。本研究ではホストーゲスト相互作用を利用して、様々な超分子錯体を合成し、その超分子構造の解析、形成挙動の追跡、特異的挙動の追跡について研究を行った。特に本年度においては光異性化部位を有するシクロデキストリンダイマーとゲストダイマーを利用して、二つのサブユニットからなる超分子ポリマーまたは超分子錯体の構造変化に付いて検討した。その結果、光照射前には超分子ポリマーを形成していたのに対し、光照射後には干すと分子の構造が変化したために、挟み込み型錯体へと変化した。この構造変化は可逆的に制御する事が可能であり、外部刺激により構造制御に成功した良い例といえる。最近の研究め結果、このシクロデキストリンダイマーは触媒機能を有する事が明らかとなり、環状エステル類の重合において効率よく気のする事が明らかと成った。現在、超分子構造体の形成だけでなく、触媒機能へ寄与も含め検討を行っており、触媒機能の外部刺激による制御を目的に挑戦している。
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