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2006 年度 実績報告書

人工シデロフォアを利用した高感度・高効率微生物デバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18750116
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

猪股 智彦  名古屋工業大学, 工学研究科, プロジェクト研究員 (40397493)

キーワード生体機能利用 / 自己組織化 / 菌類 / 走査型プローブ顕微鏡 / 水晶振動子マイクロバランス法 / 磁性微粒子
研究概要

微生物細胞や植物細胞は外界から生体必須金属の一つである鉄イオンを取り込むために,シデロフォアと呼ばれる低分子量の鉄キレート剤を産出することが知られている.本研究はこのシデロフォアと細胞表面のレセプターあるいは結合タンパク質との相互作用を利用し,微生物細胞の吸着・検出が可能な材料・装置の開発を目指したものである.
天然の鉄キレート剤の一つであるヒドロキサム酸型シデロフォアを模倣した人工シデロフォア分子を合成し,その鉄錯体を電極材料表面に修飾した.電極表面に修飾された人工シデロフォア鉄錯体は上記に示した微生物細胞表面のレセプター等との相互作用よって選択的に認識・捕捉された.これにより微生物を選択的に吸着することが可能な基板材料を制作することに成功した.微生物細胞吸着の様子は光学顕微鏡あるいはSEM, AFMなどにより直接観測することができた.またこの人工シデロフォア鉄錯体を水晶振動子上に化学修飾することにより,水晶振動子マイクロバランス法(QCM)により,微生物の吸着挙動を基板表面の微量な重量変化をモニターすることが可能な装置を開発した.
またこの人工シデロフォア鉄錯体を磁性微粒子表面に修飾した材料の合成に成功した.磁性微粒子材料としては強磁性体であるマグネタイト(Fe_3O_4)及び軟磁性を示すコアーシェル型の磁性微粒子を用いた.この人工シデロフォア鉄錯体修飾磁性微粒子は微生物細胞表面に上記と同様の相互作用により吸着させることで,外部からの磁場掃引により微生物細胞を捕集・濃縮することができた.実際に微生物細胞表面に磁性微粒子が吸着している様子や外部磁場掃引による微生物細胞の捕集の様子はAFMや光学顕微鏡により観測された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Selective adsorption of microorganisms onto artificial siderophore-modified glass surface2006

    • 著者名/発表者名
      T.Inomata, K.Matsumoto, Y.Funahashi, T.Ozawa, H.Masuda
    • 雑誌名

      Advanced Materials Research 11-12

      ページ: 251-254

  • [雑誌論文] 人エシデロフォアを利用した微生物固定化素子2006

    • 著者名/発表者名
      猪股 智彦, 増田 秀樹
    • 雑誌名

      現代科学 425

      ページ: 14-20

  • [産業財産権] 細胞固定化剤2004

    • 発明者名
      増田秀樹, 猪股智彦, 舩橋靖博, 松本健司, 小澤智宏, 実川浩一郎
    • 権利者名
      名古屋工業大学
    • 公開番号
      特開2006-124346
    • 出願年月日
      2004-10-29
    • 取得年月日
      2006-05-18

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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