研究概要 |
アミノ酸の一種であるデヒドロアラニンをモノマーとし、N端、C端の構造を種々変え、ラジカル重合によりポリマーを得た。重合には低温開始剤を用いて行い、適切な収率でポリマーが得られた。 その結果、相転移温度を構造により種々に変えうることが分かった。また、興味深いことに、N端、C端ともにアミドを導入した場合、大きなヒステリシスを示しうることが分かった。ヒステリシスの発現にはアミドの水素結合がクリティカルな役割をしていることを、FT-IR測定により明らかにした。このポリマーのヒステリシスを利用して、一種の記憶能を持った新しい温度応答性高分子として利用することが期待される。 また、デヒドロアラニンと同様にα,α-二置換モノマーとして1-methylene-malonamideを合成し、これがさらに大きなヒステリシスを持つことを見出した。
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