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2007 年度 実績報告書

疎水性アルキル基によるメッセンジャーRNAの高精度識別に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18750160
研究機関福岡県工業技術センター

研究代表者

木村 太郎  福岡県工業技術センター, 福岡県工業技術センター・生物食品研究, 研究員 (40416491)

キーワードメッセンジャーRNA / RNA / 分離 / ポリAテイル / 抽出 / 疎水性相互作用 / トータルRNA / 固相抽出カラム
研究概要

生体内にはメッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれる一群のRNAが存在する。申請者らは,このmRNAが特定の条件下で疎水的なアルキル基と選択的に相互作用する現象を発見した。今年度は,この現象を利用して生体由来のRNA混合物(total RNA)からmRNAを分離、抽出することを試み以下の実験を行った。
1.溶出条件の最適化について:total RNAに水溶性有機溶媒を任意の量添加し,ODS担体への吸着実験を行った。13種類の水溶性有機溶媒について検討を行い,totalRNA中のmRNA及びその他のRNA(tRNA,rRNA)の担体への吸着挙動を検討した。その結果,mRNAのみが担体に吸着する水溶性有機溶媒種と最適添加量を確定した。また,洗浄,溶出操作にっいても検討を行い,ODS担体を用いるmRNA分離方法を確立することが出来た。
2.従来方法との分離性能比較:本研究で確立したODS担体を用いたmRNA分離方法と従来方法(オリゴdT)について分離性能を比較した。酵母由来のtotal RNA100μgを用いて両方法でmRNAの分離を行った。その結果,収率はいずれの方法でも80%以上と良好な結果を得ることが出来た。また,純度ではオリゴdT法が優れているものの,操作の簡便性は本ODS法が格段に勝っていることが明らかとなった。
3.結論:疎水性アルキル基を適切な溶媒条件下で用いることにより,生体由来のtotal RNAからm RNAを選択的に分離可能であることが明らかとなった。従来のオリゴdT法はDNA/RNA間の相補的核酸塩基対形成を利用しており,高い選択性が発現することは自明である。これに対し,本研究では,比較的単純な疎水的相互作用のみで高度な分離を実現しており,従来法との興味深い対比が見られた。また,操作が非常に単純で簡便なため,ハイスループットな分離システムへの応用が期待出来る。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 新規メッセンジャーRNA分離キットの開発2008

    • 著者名/発表者名
      木村 太郎
    • 学会等名
      日本農芸化学会2008年度大会
    • 発表場所
      名城大学
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] 疎水性シリカ担体を用いたメッセンジャーRNAの新規分離方法2007

    • 著者名/発表者名
      木村 太郎、芦高 圭史
    • 学会等名
      第56回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2007-05-29
  • [備考]

    • URL

      http://www.fitc.pref.fukuoka.jp/center/organization/functional_materials.htm#FuncMatDev

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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