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2007 年度 実績報告書

シシ構造を高度に含有した高強度・高耐熱性セルフコンポジット高分子材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 18750192
研究機関岡山大学

研究代表者

山崎 慎一  岡山大学, 大学院・環境学研究科, 講師 (40397873)

キーワード結晶化 / 核生成 / 流動 / ポリエステル / シシケバブ構造 / 生分解性 / ポリプロピレン / 高分子
研究概要

研究の目的
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類では流動場結晶化において、伸びきり鎖結晶である繊維状結晶(シシ)のまわりに折りたたみ鎖結晶(ケバブ)が付着成長したシシケバブ構造が生成することはよく知られているが、ポリエステルでは、流動場結晶化におけるシシケバブ構造生成の報告はほとんどない。その理由として、ポリエステルでは、加水分解による分子量の低下などによって、シシ生成に対して重要な要素である鎖の絡み合いが減少することが挙げられる。また、ポリオレフィン類に比べてポリエステルの高分子量体の調製が困難であることも理由の一つである。これらの問題を解決するために、試料として、分子量の十分高いポリ乳酸(PLLA)を用いて、結晶化前の溶融時間を短くして流動場結晶化を行ったところ、シシ生成を見出した。そこで本研究では、PLLAにおけるシシ生成の観察を行い、シシ生成の下限臨界分子量と最適結晶化温度を明らかにし、高密度にシシ構造を発生させる方法論を確立することを目的とした。
実験
試料には、当研究室で重合したPLLAを用いた。温度およびせん断流動の制御には、せん断ホットステージを用い、偏光顕微鏡により結晶化の様子を観測した。試料を平衡融点付近で融解させた後、結晶化温度Tcまで冷却し、Tc到達後にせん断流動(ずり速度=5s-1)を加えながら等温結晶化した。
結果
シシ生成に対する平均分子量MとTcの相図を作製することに成功した。相図からシシ生成に対する下限臨界分子量と最適結晶化温度は約8万および150℃であることがわかり、この条件下においてポリエステルにおいても高密度にシシ構造を発生しうることを見出した。また、生成したシシの融点は非常に高く、平衡融点に近く、生成したシシが伸びきり鎖結晶からなることを確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] リサイクル性に優れたセルフコンポジット型高強度・高耐熱性プラスチック材料の開発2007

    • 著者名/発表者名
      山崎慎一
    • 雑誌名

      ポリファイル 44

      ページ: 50-54

  • [学会発表] 脂肪族ポリエステル類の流動場結晶化によるshish-kebab構造形成2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤 学、岡 卓也 山崎 慎一、木村 邦生
    • 学会等名
      平成19年度繊維学会年次大会
    • 発表場所
      タワーホール船越(東京)
    • 年月日
      2007-06-21
  • [学会発表] 脂肪族ポリエステルのshish-kebab構造形成とその構造観察2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤 学、岡 卓也 山崎 慎一、木村 邦生
    • 学会等名
      第56回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2007-05-30

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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