FIBやEBなどのナノリソ技術を用いて微小な皺構造の自己組織化をアシストすることで、欠陥のない皺構造(微小凹凸構造)を誘起させ、さらに空間波長と皺方向の制御を行なった。その制御された構造の外場応力への応答について微小機械スイッチ応用を念頭に調査を進めた。 シリコンウエハにナノパターンを作製し、それをPDMSゴムにインプリントして、パターン化したPDMS表面を得る。その上にPtを蒸着することで、弾性体上の硬い薄膜構造を作製した。その後に1軸の圧縮をかけることで皺が発生するが、人工トリガーパターンにアシストされることで皺の自己組織化の空間制御が可能となった。さらに特定の凹凸構造を可逆にスイッチングできることを示した。この技術によって、微小メカニカルデバイスへの応用へ前進した。さらにこの結果は自己組織化による自発的な長さスケールを人工的なパターンで制御するという一般的な問題についての代表的な一例となり、広範囲へのインパクトが期待できる結果を得た。さらにこの制御された構造へ1軸の回転応力外場を与えると、皺の局所方向が離散状態をとり.、また特徴的なヒステリシス挙動を示すことが明らかとなってきた。
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