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2006 年度 実績報告書

自己組織化による高分子ナノ規則表面の創製

研究課題

研究課題/領域番号 18750196
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

吉川 佳広  独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 研究員 (30373294)

キーワード高分子構造物性 / 自己組織化 / 表面・界面物性 / 酵素反応 / 走査プローブ顕微鏡
研究概要

バイオポリエステルであるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は、微生物がエネルギー貯蔵物質として体内に蓄積する生分解性・生体適合性材料である。このバイオポリエステルは、糖や植物油を原料として微生物体内で生合成される。バイオポリエステル重合におけるキー酵素は、PHA重合酵素であり、基質モノマーであるPHA-CoAを作用させるとインビトロ重合によりPHA鎖が伸長する。本研究では、このインビトロ重合によって生産されたバイオポリエステルを用い、基板上に自己組織的に規則構造を形成することを目標としている。本年度は、PHAのクロロホルム希薄溶液を調製し、高配向グラファイト上にスピンキャストして形成される自己集合膜の形態を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。
溶液の濃度を0.01%〜1%まで変え、また、スピン速度も2000〜4000rpmまで変えてキャスト薄膜を調製した。AFM観察の結果、キャストをしただけではPHA鎖は配向を持って配列しないことがわかった。また、様々な条件で作製した薄膜の膜厚をAFMで測定したところ、膜厚は、スピン速度よりは溶液濃度に依存していることが明らかとなった。
PHAは結晶性であるので、上記方法で作製した薄膜に溶融-結晶化処理を施し、再度観察を行った。濃度が比較的高い場合(0.1%)では六方晶的にエッジオンラメラ結晶(分子鎖が基板と平行)がHOPG上にエピタキシャル成長(基板と相互作用して結晶化)した形態が認められた。また、濃度が極端に低い場合(0.01%)では、分子鎖が基板上に1層程度に分散し、分子が直線的に配列していると思われる形態が観察された。今後、AFMよりも更に分解能の高い走査型トンネル顕微鏡を用いて、PHA鎖のHOPG基板上への配向性について詳しく調べていく予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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