新規プロトン伝導性プラスチッククリスタル材料の開発を目的に、様々な有機塩の合成を行った。コリンビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド([N1.1.1.2OH][NTf2])や有機カチオンとリン酸二水素([dhp])アニオンからなる化合物を合成した。いずれの化合物も固相-固相転移を示し、融解のエントロピーが十分に小さいことから、プラスチッククリスタルであることが推定された。また、プラスチッククリスタル相におけるイオン伝導度は、約10-3Scm-1であった。プラスチッククリスタル/Nafion複合体を作製し、室温・無加湿下において燃料電池発電試験を行った。複合膜の開放電圧と限界電流密度は、それぞれ0.51Vと11mAcm-2であった。
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