・平成20年度は、前年度までに得られたデータの向上のための下記の実験と研究成果の総括を行うことを目的とした。 (1) Fe置換LiMn_2O_4の電気伝導特性および光物性評価 ゾルーゲル・スピンコーティング法を用い、シリコン基板上にFe置換LiMn_2O_4膜を作成した。本研究では、原材料である酢酸マンガンの一部を酢酸鉄に置き換えてゾル液を作成することによりLiMn_2O_4へのFe置換ドーピングと置換量の制御を図った。置換量は5%、10%、15%、20%である。作成したゾル液をシリコン基板上にスピンコーティングし、500℃、30分間焼成した。上記のFe置換量に対して、LiMn_2O_4 : Fe膜の電気伝導特性および光物性を評価した。 (2) Fe置換量とヤーン・テラー格子歪抑制効果との相関性の解明 作成した試料に対し、100〜500サイクルの充放電実験を行った。上記のFe置換量に対する放電容量を調べ、ヤーン・テラー格子歪抑制効果との相関性を調べた。 (3) Fe置換LiMn_2O_4膜の走査型電子顕微鏡および原子間力顕微鏡を用いた表面観察 上記のFe置換量の試料に対し、20サイクルの充放電ごとに原子間力顕微鏡(AFM)や走査型電子顕微鏡(SEM)を使用し表面を観察した。 (4) 研究成果の総括 上記実験結果をまとめ、現在、論文執筆の準備を行っているところである。
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