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2007 年度 実績報告書

単一サブ10nm微細構造のためのマルチ同時解析装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18760049
研究機関東北大学

研究代表者

久保田 智広  東北大学, 流体科学研究所, 助教 (70322683)

キーワードナノディスク / 中性粒子ビーム / 電気特性 / 量子ドット / 原子間力顕微鏡 / バイオナノプロセス / 量子井戸 / 自然酸化膜
研究概要

昨年度に作製した円盤状シリコン微細構造につき、直径および厚さを変化させたものを作製し、電気特性に現れる階段構造の幅がどのように変化するかを検討した。
<シリコン基板-下地酸化膜-多結晶シリコン薄膜-自然酸化膜>構造の基板を用意し、フェリティンと呼ばれる蛋白質を配置し、その中に含まれる鉄コアを熱処理により取り出し、表面に形成されるシリコン自然酸化膜を除去後、鉄コアをマスクとして多結晶シリコン薄膜を塩素中性粒子ビームでエッチング加工することで、下地酸化膜上にサブ10nmシリコンナノディスク構造を作製した。このとき、多結晶シリコン薄膜の厚さを2.5nm〜5nmで変化させることにより、ナノディスクの厚さを変化させた。一方、自然酸化膜除去条件を制御することにより、ナノディスクの直径を8〜12nm程度の範囲で制御することに成功した。
これらのナノディスク構造について、室温において、導電性探針を用いた原子間力顕微鏡を用いてクーロン階段の観測を行った。導電性ダイヤモンド探針を用い、画像をスキャンしたのちに探針をナノディスク位置に置き電流-電圧特性を測定したところ、すべてのナノディスクについて、階段状の特性が得られた。その階段の幅は、ナノディスクの直径にはほとんど依存せず、厚さに強く依存することが分かった。これは、ナノディスクが量子井戸的な振る舞いを見せていることを意味する。すなわち、ナノディスクは厚さ方向に非常に小さく、電子の波動関数の広がりよりも薄いため、厚さ方向に電子閉じ込めが起こり、電子準位が厚さの影響を受けたと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Low-damage fabrication of high aspect nanocolumns by using neutral beams and ferritin-iron-core mask2007

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Kubota
    • 雑誌名

      Journal of Vacuum Science and Technology B 25

      ページ: 760-766

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Coulomb-staircase observed in silicon-nanodisk structures fabricated by low-energy chlorine neutral beams2007

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Kubota
    • 雑誌名

      Journal of Applied Physics 101

      ページ: 124301-1-124301-9

    • 査読あり
  • [学会発表] Fabrication of defect-free and diameter-controlled silicon nanodisks for future quantum devices by using neutral beam etching2007

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Kubota
    • 学会等名
      American Vacuum Society 54th International Symposium and Exhibition
    • 発表場所
      Washington State Conventi on Center(米国シアトル)
    • 年月日
      2007-10-17
  • [学会発表] Coulomb-staircase Effect in Silicon-nanodisk Structures Fabricated Using Damage-free Cl Neutral Beam Etching2007

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Kubota
    • 学会等名
      The 2007 Silicon Nanoelectronics Workshop
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル京都(京都府京都市)
    • 年月日
      2007-06-10

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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