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2006 年度 実績報告書

圧電セラミックス材料の構成則モデリングと非線形解析手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18760062
研究機関岐阜大学

研究代表者

永井 学志  岐阜大学, 工学部, 講師 (90334359)

キーワード強誘電体 / 強弾性体 / 分岐解析 / 辺要素 / 準安定状態 / 有限要素解析 / ベクトルポテンシャル / ランダウの現象論モデル
研究概要

本研究の目的は,強誘電・強弾性材料のドメインスイッチングに起因する材料非線形挙動を多結晶構造レベルからシミュレートできる有限要素解析手法の開発である.これを目指して,本年度は,以下の2点について研究を行い,成果を得た.
a)従来の有限要素定式化と異なり,汎関数を最小化するタイプの有限要素定式化を行った.この定式化では,電気に関する方程式がcurl-curl型となる.この型に対しては,辺要素を用いる必要のあることが分かっている.よって,弾性体に対する通常の節点要素と,この辺要素を混合した四面体1次要素を開発し,3次元問題における性能検証を行った.また,この定式化を行う際に不明確なままであった電気的な境界条件について,これを明確にした.その結果,本手法は電気に関して応力法的な取り扱いとなっていることからも想像できるように,制約として電極ごとに等電位でなければならないこと,また電極以外の境界面には表面電荷が生じてはならないこと,の2条件を課す必要のあることが分かった.
b)上述の汎関数を最小化するタイプの有限要素定式化と相性の良い構成則モデルとして,ランダウの現象論的モデルを採用した.これは物性物理学において一般的に用いられているものであるが,従来の有限要素定式化とは相性が良くなかったため,計算力学の立場からはあまり検討されていない.そこで,本モデルのうち簡潔なものを2次元有限要素に組み込みいくつかの検討を行った.本モデルは系に対する自由エネルギの存在を仮定した上で,その安定性について議論するものであるため,これと有限要素解析と組み合わしたものの数学的構造は,構造物の分岐解析におけるそれと類似する.よって,分岐解析における経路の探索手法等を流用し,強誘電・強弾性の多結晶セラミックスを千自由度程度で要素分割したものに対して経路追跡を行えることを確認した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] ランダウの現象論的構成則を用レヽた多結晶強誘電体の数値解析法2007

    • 著者名/発表者名
      浦本大明, 永井学志, 渡邊勝彦
    • 雑誌名

      計算工学講演会論文集 12(印刷中)

  • [雑誌論文] 圧電問題に対する3次元辺要素の開発2007

    • 著者名/発表者名
      梅村公博, 永井学志
    • 雑誌名

      計算工学講演会論文集 12(印刷中)

  • [雑誌論文] ベクトルポテンシャルを用いた圧電問題の有限要素定式化2006

    • 著者名/発表者名
      佐藤維美, 永井学志
    • 雑誌名

      計算工学講演会論文集 11

      ページ: 461-464

  • [雑誌論文] エネルギー密度に基づく圧電セラミックスの微視的ドメインスイッチングモデル2006

    • 著者名/発表者名
      林孝昌, 永井学志, 渡邊勝彦
    • 雑誌名

      計算工学講演会論文集 11

      ページ: 93-96

  • [雑誌論文] 圧電問題に対するベクトルポテンシャル型有限要素2006

    • 著者名/発表者名
      永井学志
    • 雑誌名

      日本機械学会第19回計算力学講演会講演論文集

      ページ: 153-154

  • [雑誌論文] 自由エネルギに基づく強誘電体の現象論的構成則の検討2006

    • 著者名/発表者名
      浦本大明, 永井学志, 渡邊勝彦
    • 雑誌名

      第50回日本学術会議材料工学連合講演会論文集

      ページ: 208-209

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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