研究課題
非定常雑音に埋もれた信号の検出に関する研究に対して. 19年度は非定常観測データを定常なデータに変換する手法を開発し. 観測データの定常化と名づけた.この手法では. カルマンフィルタを用いて非定常雑音のモデルパラメータを推定しているが. 本年度は. (1)すでに提案しているこの定常化手法の改良. および(2)超音波センサによる実験の2点を実施した.各内容の詳細は以下のとおりである.(1) カルマンフィルタを用いた定常化手法の改良 : 平成19年度に開発した手法で非定常観測データを定常なデータに変換する手法について. これまでは. 観測データに介在するトレンド除去のために用いた差分を組み込まない雑音モデルを用いていたのに対して. 本年度はこの差分処理をモデルに組み込んだカルマンフィルタを新しく構成し検出手法の改良を行った. これにより. 非定常観測データがこれまでよりよく定常化されていることが見受けられた. しかし. 雑音パラメータの推定誤差は20〜30%程度のケースもあり. 推定手法の改良を引き続き実施している.(2) 超音波センサによる受信信号の検出実験 : 超音波による反射型センサによる. 移動物体の距離計測実験を実施した. 本実験では非定常雑音を人工的にセンサに付加させで行ったが. 受信される雑音が定常な場合においても. 本研究で開発した定常化操作を行うことにより. 物体からの反射信号の検出能力が向上することが確認された. 本研究の成果は. 本年度開催される研究発表会等で発表する予定である.
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Proc. 40th ISCIE International Symposium on Stochastic System Theory and Its Applications, Kyoto, Japan (掲載決定)
Proc. 16th European Signal Processing Conference (EUSIPCO2008), Lausanne, Switzerland (CD-ROM)
システム/制御/情報Vol.52, No.11 52
ページ: 401-406