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2007 年度 実績報告書

非局所結晶塑性理論に基づく多結晶塑性の大規模マルチスケール解析

研究課題

研究課題/領域番号 18760080
研究機関名古屋大学

研究代表者

奥村 大  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70362283)

キーワード非局所結晶塑性 / ひずみこう配理論 / 均質化理論 / 多結晶金属 / 寸法依存性 / 転信論 / 有限要素法 / 結晶粒界
研究概要

本研究では,多結晶金属に現れる塑性挙動の粒径依存性発現のメカニズム解明のために,非局所結晶塑性理論を用いて多結晶モデルの大規模マルチスケール解析を行った.このため昨年度には,GN転位の自己エネルギーの影響を考えることによって非局所結晶塑性理論を新たに構築した.また,この理論を用いた結晶粒モデルの解析的な検討より多結晶金属の初期降伏応力の粒径依存性を予測し,粒径がサブミクロンから数ミクロンの範囲において実験結果をよく予測することを示した.そこで今年度は,GN転位の自己エネルギーを考慮した非局所結晶塑性理論を有限要素解析の枠組みに導入することによって,大規模な多結晶モデルの解析を行うための解析手法を開発した.今年度の研究成果は次のようにまとめられる.
はじめに,GN転位の自己エネルギーの影響を考慮した有限要素解析を行うために,著者らの開発したGurtin理論に基づく有限要素離散化の方法を改良した.つづいて,二次元の結晶粒モデルの解析を行い,解析解との比較によって解析方法の妥当性を確かめた.さらには,大規模な多結晶モデルの解析を可能とするために,計算速度および効率の向上を目的として,開発されたプログラムをMPIによって並列計算の可能なように修正した.このプログラムは従来の解析手法との比較計算によって検証され,その有用性を確認した.六角形結晶粒によって構成される多結晶モデルの解析では,テイラー因子の粒径依存性を調べ,GN転位の自己エネルギーはこの寸法効果には影響しないことを示した.なお,今回構築した理論では,除荷・逆負荷過程において2段階の降伏挙動が予想され,実際に観察されている現象との対応関係は確認されていない.この問題点の解決は今後の課題である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Higher-order stress and grain size effects due to self-energy of geometrically necessary dislocations2007

    • 著者名/発表者名
      N. Ohno and D. Okumura
    • 雑誌名

      Journal of the Mechanics and Physics of Solids 55

      ページ: 1879-1898

    • 査読あり
  • [学会発表] ひずみこう配結晶塑性理論を用いた多結晶モデルの有限要素解析2007

    • 著者名/発表者名
      奥村 大
    • 学会等名
      日本機械学会 M&M2007 材料力学カンファレンス
    • 発表場所
      東京大学生産技術研究所(東京都)
    • 年月日
      2007-10-26
  • [学会発表] ひずみこう配結晶塑性理論を用いた結晶粒モデルの有限要素解析2007

    • 著者名/発表者名
      奥村 大
    • 学会等名
      日本材料学会 学術講演会
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス(愛知県)
    • 年月日
      2007-05-20
  • [学会発表] 多結晶体のマイクロ塑性におけるすべりこう配の影響2007

    • 著者名/発表者名
      奥村 大
    • 学会等名
      日本材料学会 塑性力学分科会
    • 発表場所
      慶應義塾大学 理工学部矢上キャンパス(神奈川県)
    • 年月日
      2007-03-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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