• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

膜面に生じるkinkingの構造特性に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 18760088
研究機関東海大学

研究代表者

中篠 恭一  東海大学, 工学部, 講師 (60408028)

キーワード有限要素法 / 膜構造物 / 張力場
研究概要

膜面は非常に柔軟な構造要素であり、一般の剛構造には見られない、いくつかの特徴的な構造応答がある。そのひとつは、リンクル(しわ)の発生であり、近年有限要素法を用いたリンクル解析に関して多くの研究報告が寄せられている。リンクルの他、膜面に特徴的なもうひとつ興味深い構造応答として、kinking(深い折目)の発生がある。本研究は発生機構が殆ど研究されていないkinkingについて、有限要素法の立場から解明を試みるものである。昨年度は、kinking発生に時間依存性が大きく関わっているとの観点に立ち、独自開発コードにダイナミクス解析のルーチンを組み込み、動解析を行える環境を整え、数値発散を発生することなく膜面のダイナミクスが解析できることを実証した。しかしながら、ダイナミクス解析の妥当性を検討するには至らず、物理実験との比較が課題として残った。そのため、本年度はkinkingが支配的となる膜構造物として、パラシュートの開傘現象、および現在ISAS/JAXAで開発が進められている次世代型圧力気球の二つを解析対象として物理実験との比較を試みた。さらにパラシュートの開傘現象に関しては、初年度に開発した接触アルゴリズムを適用すると共に、新たに膜面のモデル化として「多粒子系モデル」に基づいた数値解析コードも開発し、有限要素モデルと合わせて、解析結果の妥当性を検討した。その結果、上記二つの解析対象ともに、数値解析結果と物理実験結果の双方で良好な一致をみることができ、kinking現象の把握に本研究で開発したコードの妥当性を確認することができた。以上より、本年度の研究では一定の成果を収めることができたものの、当初計画において予定していた、メッシュフリー法の適用、および群論に基づいたkinking現象の解明には至らず、これらの課題については今後も継続して研究を行っていく予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] Lobed-pumpkin型気球のフィルム応力分布に関する考察2008

    • 著者名/発表者名
      志村友章
    • 学会等名
      第24回・宇宙構造材料シンポジウム
    • 発表場所
      宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部
    • 年月日
      2008-12-12
  • [学会発表] パラシュート開傘挙動に関する研究一初期縮傘形状が開傘衝撃に与える影響2008

    • 著者名/発表者名
      杉田俊哉
    • 学会等名
      第24回・宇宙構造材料シンポジウム
    • 発表場所
      宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本部
    • 年月日
      2008-12-12
  • [学会発表] Super Pressure Balloonの数値構造解析2008

    • 著者名/発表者名
      志村友章
    • 学会等名
      第52回・宇宙科学技術連合講演会
    • 発表場所
      兵庫県立淡路夢舞台国際会議場
    • 年月日
      2008-11-06
  • [学会発表] ペラシュート開傘時の荷重履歴に関する数値解析および実験的研究2008

    • 著者名/発表者名
      杉田俊哉
    • 学会等名
      第52回・宇宙科学技術連合講演会
    • 発表場所
      兵庫県立淡路夢舞台国際会議場
    • 年月日
      2008-11-05
  • [学会発表] 張力場理論に基いたスーパープレッシャー気球の有限要素解析2008

    • 著者名/発表者名
      中篠恭一
    • 学会等名
      平成20年度・大気球シンポジウム
    • 発表場所
      宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部
    • 年月日
      2008-09-26
  • [学会発表] パラシュート開傘挙動に関する数値解析および実験的研究2008

    • 著者名/発表者名
      杉田俊哉
    • 学会等名
      第50回・構造強度に関する講演会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2008-08-01

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi