研究概要 |
本研究の最終構想は,放電加工機能を有する管内自走マイクロロボットを開発し,そのロボットに自らが走行する管路自体を形成させつつ被加工物内を自在に運動させることにより,小径かつ長距離かつ複雑な曲がり穴を創成することである.この最終構想を実現するためには,上記の目的を達成できるマイクロロボットの開発が不可欠である.そこで本研究では,当該マイクロロボットを構成する3つのユニット(自律的放電加工ユニット,方向制御ユニット,管内走行ユニット)について研究および開発することを目的としている.基本的には同時並行的に行うことを考えているが,本年度は主に以下に示す研究を行った. 1.自律的放電加工ユニットの実装可能機の開発 過去の研究において,自律的放電加工ユニットの機能を発現する基本機構を開発し,動作を実証していたが,マイクロロボットに実装するには小型化が必要であった.そこで,実装が可能な外径20mmの自律的放電加工ユニットを設計・製作した. 2.管内走行ユニットの試作機開発と基礎動作実験 内径20mmの管内を走行できる管内自走ユニットの試作機を開発し,基礎的な動作実験を行った.これをよって,管内自走ユニットの設計・製作・運用に関するノウハウを蓄積した. 3.ロボット位置計測システムの基礎研究 加工中のロボットは曲がり穴の底部にあるため,その位置を把握することが困難である.そこで,放電加工時に生じる弾性波を計測し,被加工物内における放電位置を特定することによって,ロボットの位置を特定する装置について基礎的な研究開発を行い,位置の特定が可能であることを示した.
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