研究概要 |
トラクションドライブ式CVTの特徴は,ベルト式よりトルク容量を大きくできること,静かであること,最適変速比がとれること,部品点数が少ないことである。また動力伝達技術の分野には環境対策,省エネルギー対策として更なる高効率化が求められている.しかし,従来のトラクションドライブ式CVTはその構造が非常に複雑であり,またコストが高い等のデメリットがある.そのデメリットを補った構造として提案されているのがCone To Cone type CVT(CTC-CVT)である.CTC-CVTは簡素な構造かつトラクション部分の効率が高い等の特徴を持つCVTである.本研究ではCTC-CVTの産業用としての実用化に向けて理論的な効率計算を行い,それを基に事件試作機の最適設計及び製作を行う.また,その実験試作機を用いて,(1)動力伝達効率が最大となる転動体の外円すいの最適角の実証実験,(2)転動体の外円すいの疲労強度試験,(3)CTC-CVTの耐久試験を行う.実験結果を基にトラクションオイルの影響やCTC-CVTの性能を明らかにしてゆくことで強度設計式や与えられた条件下での精密な設計方法を確立させる.この研究目標に対し,本年度は下記の項目について研究を行った. 1.Cone To Cone type CVTの動力伝達効率解析動力伝達を行っているトラクション部分について理論的な効率の解析を行った.また,軸受,調圧カムなどの損失及び潤滑油の攪拌損失を求め,装置全体の動力伝達効率を求めた. 2.CTC-CVTの実験試作機の設計最適設計法を基にCTC-CVTの実験試作機を設計した. 3.CTC-CVTの実験試作機の製作設計した実験試作機を実際に製作した.本実験試作機は日立ニコトランスミションで製作・組立を行った. 4.CTC-CVT実験試作機本体及び油圧ユニットの設置・配管・試運転製作した実験試作機及び油圧ユニットの設置を行い,設置後に油圧ユニット間の配管作業を行った.その後試運転を行った.
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