本年度では、水槽内に光ファイバーを挿入し、気泡挙動を影写真法で可視化し高速ビデオ撮影すると同時に圧力測定を行った。水槽はステンレス鋼製で側面中央部に厚さ30mmのガラス製の観測窓を設けた。パルスHo:YAGレーザー光を石英ファイバーを用いて導光する。気泡挙動は高速度ビデオカメラで記録した。可視化結果から画像解析ソフトを用いて気泡境界を追跡し、レーザー照射方向の気泡の長さ、気泡の幅を測定し、気泡の成長・消失過程を計測した。 気泡挙動の撮影と同時に圧力測定した。圧力変換器を水槽内に石英光ファイバーと対向して設置した。光ファイバーとニードルハイドロフォン先端部の距離は6mmである。測定信号はデジタルオシロスコープに記録される。 実験では、レーザートリガー信号から約435μs後にファイバー先端でプラズマの生成が確認され、その直後、レーザー誘起気泡が形成さる。レーザー誘起気泡は球形状ではなくレーザー光照射方向の伸びた楕円形状である。レーザー誘起気泡がファイバー先端部の角を回り込む時、気泡はもはや単一形状を保たず、崩れて微小気泡群となった。つまり、レーザー光照射方向には楕円に近い形状の誘起気泡、後方には傘状に広がった微小気泡群が形成される。 また、ファイバー先端部から気泡先端部の距離、気泡全体の長さ及び幅各々の時系列変化を測定した。圧力履歴と比較し、気泡の崩壊、再膨張時に衝撃波は発生し、過剰圧の平均値はそれぞれ4MPa、1.8MPaであることを判明した。これらの実験データに基づき、レーザー誘起水ジェットの解析モデルを構築している。
|