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2006 年度 実績報告書

格子ボルツマン法を用いた粘弾性体を含むマイクロ固液混相流現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18760121
研究機関信州大学

研究代表者

吉野 正人  信州大学, 工学部, 助教授 (00324228)

キーワード粘弾性体 / 格子ボルツマン法 / マイクロ流 / 複雑流 / 固液混相流
研究概要

粘弾性体を含む固液混相流解析を行う準備として,最初に,二相系格子ボルツマン法(以下LBMと呼ぶ)に固体壁上の濡れ性を考慮した境界条件の検討を行った.この境界条件は,Briantら(2004)のアイデアに基づく手法を導入し,壁における流体と固体との接触角を規定するものである.この手法を用いて,水平な壁上に置かれた単一気泡の静的接触角θ_wを計算したところ,70°〜110°の範囲でYoungの理論と良く一致することがわかった.また,壁面上を移動する単一気泡の非定常計算を行うことにより,動的な接触角の詳細について調べた.種々の濡れ性条件に対してシミュレーションを実施したところ,いずれの条件に対しても,前進接触角は後退接触角よりも20°〜30°ほど大きな値をとることがわかった.次に,本手法を用いて,流路内に複数の物体を含む流れ場における上昇気泡流のシミュレーションを行った.本計算では,固体表面が(a)親水性(θ_w=70°),および(b)疎水性(θ_w=110°)についての計算を行った.(a)では,気泡と物体は接触しやすくなるため,気泡は物体が密になっている領域中央部を上昇し,物体との接触が頻繁に繰り返される結果が得られた.一方,(b)では気泡と物体は接触しにくくなり,気泡は徐々に物体を避けるような挙動を示した.以上から,固体壁の濡れ性の相違によって,気泡の挙動や流動現象が異なることがわかった.最後に,粘性がせん断速度に依存するように改良した非ニュートン流体解析のためのLBMを提案した.二次元チャネル流の計算結果から,既存のLBMに比べて本手法は安定性に優れており,計算精度も良いことがわかった.今後は,上述の結果を発展させて,赤血球のような粘弾性体を含む固液混相流のためのシミュレーション法の開発を行っていく予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] LBMを用いたコーナーベーン形状の最適化について2006

    • 著者名/発表者名
      吉野 正人 (共著)
    • 雑誌名

      計算数理工学論文集 6・1

      ページ: 45-48

  • [雑誌論文] Lattice Boltzmann simulation of liquid-gas flows through solid bodies in a square duct2006

    • 著者名/発表者名
      Masato Yoshino (共著)
    • 雑誌名

      Mathematics and Computers in Simulation 72・2-6

      ページ: 264-269

  • [雑誌論文] 非ニュートン流体解析のための格子ボルツマン法2006

    • 著者名/発表者名
      吉野 正人(共著)
    • 雑誌名

      計算数理工学論文集 6.2

      ページ: 159-162

  • [雑誌論文] Lattice Boltzmann simulation of bubble flows through solid bodies with different wettability2006

    • 著者名/発表者名
      Masato Yoshino (共著)
    • 雑誌名

      CDROM Proceedings of the 7th World Congress on Computational Mechanics, Los Angels, California, USA.

      ページ: Paper No. 1889

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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