研究概要 |
パイプ内径を13mm, 当量比をほぼ1としてメタン流量を0.7L/min〜2L/minとしてメタン炎の火炎温度分布をレーザースペックル法によって測定した. スペックルパターンの動画を撮影すると, 予混合火炎の部分では, ほぼ定常と見なせるが, 拡散火炎は, 大きな振幅を伴う振動流になっていることがわかった. 通常, このような非定常流の場合, トレーサー粒子を投入して, 可視方向に対して垂直にレーザーシート光を当て, トレーサー粒子の散乱光の変化により, 流れパターンをとらえることが必要である, 本手法は, トレーサー粒子を投入することなく, スペックルパターンの経時変化を撮影するだけで振動流をとらえることに成功した. 具体的には, 内部火炎は, 短い周期の振動流となり, 外部火炎である拡散火炎は, 大きな振幅で内部火炎よりも長い周期をもつ振動流になっていることがわかった. また, この振動周期は, メタン流量が多くなるほど, 長くなり, 外部火炎の不安定流動も大規模化することがわかったこのことは, 空間の温度分布が時空間的に変動し, ノズルの半径位置によって滞留時間が大きく変化することを意味しており, 本研究を実施することで微粒子生成のキーとなる滞留時間を決定する上で非常に重要な情報が得られたさらに, Fermatの原理が適用し, 瞬間瞬間のスペックルパターンをもちいて, 非定常振動流における空間温度分布を測定することが可能となった. 本申請案により, 希薄燃焼下における予混合火炎の温度分布測定法の開発に成功した.
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