研究概要 |
本研究では粗視化に基づいて中間スケール的(mesoscopic)に乱流遷移機構を解明することを目的に,確率測度のmaster方程式表現に基づく局所エントロピー方程式を導出し,この局所エントロピー方程式の各項を巨視的微少領域上で積分するか,アンサンブル平均することで巨視的熱力学量の振る舞いを説明するできることを証明した.この過程でエントロピー増大の法則に相当する全体系におけるエントロピー生成の正値性を非平衡・非定常状態で証明することに世界で初めて成功した.この成果は最終的な乱流遷移機構の解明をはじめ,乱流に対する力学系的アプローチの適用性をより高めるものとして期待される.
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