研究概要 |
本研究は,構造物を単純支持梁と仮定し,その曲げ振動から発電を行うトランスデューサによってその振動のセンサレス能動制御を行うことを目的としている,18年度は,トランスデューサに,プルーフマスアクチュエータと圧電素子を用いることを考え,それらによって梁の曲げ振動制御を行う時の,発電と制振性能を計算するモデルの作成を行った.トランスデューサはアクティブ制御を行っておらず,あくまでもパッシブで動作させた時の議論であるが,数値計算により,様々な条件下での発電と制振性能を求め,発電と制振の最適条件が異なることを示し,これらのトレードオフを考慮しながらシステムの設計を行う必要があることを示した. これらの数値計算と平行して,実験装置の作成を行った.単純支持梁を作成し,圧電素子とプルーフマスアクチュエータを取り付けた.加振器を購入し,それによって梁に振動を加えることができるようにした.加振場所は,注目しているモードの節とならない場所を選択し,歪ゲージによって加えている力を計測できるようにしている.梁の応答を調べるために計測用加速度計を設置し,ADボードを通じてパーソナルコンピュータに記録できるようにした.各トランスデューサには電気回路,電源,電流計を設置し,電気的な状態量をモニタリングできるようにしている,実験によって,圧電素子の制振および発電性能,またプルーフマスアクチュエータを自作し,その制振性能を検討した.結果は,理論と定性的に一致しており,構築した数値計算モデルの妥当性を示すことができた. 上記の通り,提案するシステムを構築し,数値計算のモデリング,実験装置作成,基礎的な実験を行うことができた.
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