研究概要 |
本研究は,柔軟シートと隙間流れとが連成して発生する隙間流れ励起振動を,非接触で抑止するアクティブ制振手法を開発した.開発した制振手法は,スリットからの流体噴き出し/吸込みによりアクティブに流体の流れを制御(アクティブ流動制御)することで、非接触で制御対象である柔軟シートの振動を抑止するものであり,励振流体力の発生起源そのものを抑止する手法である. 開発したアクティブ制御手法の制振性能を実験と理論解析から明らかにするために,初年度である2006年度は,既存の実験装置を改良して,連続体である柔軟シートに発生する隙間流れ励起振動の制御を行うシステムの構築を行った.そして,構築した実験装置を用いて,アクティブ流動制御による柔軟シートの隙間流れ励起振動の制振特性を調べた.実験パラメータとしては,(1)シフト位相角(センサで計測した振動変位からアクチュエータ・スリットにおける流体噴き出しまでの位相角),(2)コントローラゲイン,(3)アクチュエータの配置と数,(4)柔軟シートの厚さと材質,を変化させて,これらのパラメータの臨界流速への影響を明らかにした. また,スリット付近での流れの支配的な主要力学因子を抽出し,アクチュエータ動作の力学モデルの構築を行った.また,流動制御を行った場合における,柔軟シートの隙間流れ励起振動の支配方程式を導出し,提案する制御手法を用いた制御理論モデルを構築した.
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