研究概要 |
本研究は,4脚ロボットによる実際的な環境での歩行移動の実現を目的としており,本研究に先行して開発したTITAN-IXと呼ぶ機械モデルを対象として,特に脚のストロークのみでは吸収不能な大規模段差の踏破,および路面上の足裏よりも小さな凹凸への対応が可能な適応型の足裏機構について検討を行うものである. 本年度は主に実際に不整地踏破を行うために必要なハードウェアの構築を行った.まず上記のような段差乗越えを実現するには胴体姿勢を積極的に変化させる歩容制御法を導入する必要があるが,その際に路面との確実な接触状態を保つために必要不可欠な2自由度の能動足首機構の導入を行った.またそれに伴い脚構造についても再検討し,より段差踏破に適する構成へと改良を行った.具体的には,尻関節の下方への可動域の拡大,膝関節へのオフセット関節の導入,胴体の高剛性化のためのフレーム構造の導入等を行い,より実際的な構成とした. さらに対地適応型足裏機構の設計について具体的検討を行った.これはワイヤで連結された8本の指状の適応機構によって構成され,動滑車による連結差動機構をその基本動作原理とする.支持力を各指に均等に分配することで路面形状に適応して接地し,接地後支持力がある閾値を超えるとワイヤの動きを制限する機構が作動することで足裏形状を固定し確実な足場を形成する.さらに光学式の3軸力覚センサ,各指に屈曲センサを装着することによって近接地センサとしての機能性を導入し,路面へのならい制御を可能とするような構成を検討した.
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