研究課題
力覚の伝達と再現を扱う実世界ハプティクス技術は、将来の人間支援ロボットの実現にあたって必要不可欠な要素技術となっている。その中でも、アクチュエータに外乱オブザーバを適用した力覚フィードバック制御は、各個人の身体機能に適合した動作生成ならびに親和性の高い接触動作の実現において欠かすことのできない鍵技術となっている。本研究では、力覚フィードバック機能を有するリハビリ支援ロボットの開発を目標としており、本年度において次のような研究実績を得ることができた。1.力覚フィードバックを有するリハビリ支援ロボットの基本設計、試作アクチュエータにリニアモータを採用することで、機構中の摩擦や共振を除去した高精度な力覚フィードバック制御を実現した。さらに、従来の位置センサ情報に基づく外乱オブザーバでは微分ノイズの影響のため、センサレス力覚センシングの周波数帯域が限られていたが、加速度センサを併用したまったく新しい位置・加速度統合型外乱オブザーバを提案し、この問題を解決することに成功した。これにより、人間の感じる周波数帯域すべてをカバーした力覚フィードバック制御を実現し、高い操作性を得ることに成功した。2.自動負荷調整ユニットの基本設計開発した広帯域力覚フィードバック制御に基づいて自動負荷調整ユニットを試作し、アクチュエータが発生する作用力を調整することで、所望の負荷をリアルタイムに設定できることを確認した。さらに、操作者が実際にアクチュエータに加えている反作用力を指令作用力と統合することで、人工的に「作用・反作用の法則」を実現することができ、リハビリ動作が可能になることを明らかにした。また、負荷を時間関数および空間関数で与えることにより、個人の特性に応じた双方向性の負荷設定が可能になることを確認した。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
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