| 研究概要 |
風力発電設備は,風雨や風雪の激しい環境に設置されることが多く,故障に伴う設備の修理や交換には莫大な労力と経費が必要になる。このため,雷電流による過電圧が風力発電設備タワー内部に生じない,あるいは侵入しても設備や機器の故障を引き起こさないレベルになるような電気的設計が求められている。このような検討を行うためには,風力発電タワーあるいは同一ファーム(風力発電タワー群)内の別の風力タワーに落雷が生じた際に,その内部あるいは近傍に生じる電磁界および過電圧を適切に予測計算できるモデルの開発が不可欠である。
この研究課題に関わる本年度の研究成果を細目に分けて以下に示す。
(1)雷撃に起因した風力発電タワー等の地上構造物頂部に生じる電界,磁界の評価を行った(次ページ研究成果雑誌論文1)。
(2)風力発電タワー等の地上構造物および上向きリーダ放電の存在を考慮した帰還雷撃の工学モデルを開発した(研究成果雑誌論文2)。
(3)FDTD法を用いた電磁界およびサージ解析に有用な任意半径導体模擬法を開発した(研究成果雑誌論文3)。
(4)FDTD法を用いた電磁界およびサージ解析に有用な高性能吸収境界条件を開発した。(研究成果雑誌論文4)
(5)帰還雷撃の電磁界モデルの応用に関する過去の論文を調査し,それらに関するレビュー論文を執筆した(研究成果雑誌論文5)。
(6)遠方での測定磁界から雷撃構造物頂部および脚部における電流ピーク値を推定するための理論式を導出した研究成果雑誌論文6)。
以上の成果は,6件の雑誌論文として国内外の学会雑誌論文として印刷公表された。
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