研究課題
1.強磁性半導体GaMnAsヘテロ構造における量子サイズ効果の観測およびその解析本研究で初めて観測された強磁性半導体GaMnAsヘテロ構造における量子サイズ効果について、量子準位が、半導体の価電子帯構造をベースとしたk・p摂動モデルと、p-d交換相互作用ハミルトニアンにより、定量的に説明できることが明らかになった。この結果は、正孔が高いコヒーレンシーを有しており、この系が将来のデバイス応用上大変有利であることを示している。2.3端子GaMnAs磁気トンネルトランジスタの実現GaMnAsをベースとした3端子磁気トンネルトランジスタ(MTT)を初めて作製した。これらの素子におけるスピン依存伝導特性の測定の結果、電流転送率αが0.9以上という金属系MTTで従来報告されてきた最高値の約30倍もの値が得られることを明らかにした。電流増幅率βも10以上の大変大きな値に達することが明らかになった。3.高Mn組成を有するGaMnAsの作製および高キュリー温度の実現強磁性半導体GaMnAsの作製(成長)温度を190℃程度の低温まで落とし、膜厚を10nmまで薄くすることにより、Mn濃度が10〜21.3%である高濃度Mn組成を有するGaMnAsを初めて作製することに成功した。また、GaMnAsのキュリー温度の現在の最高値173K(英国・ノッティンガム大)に匹敵する172.5Kという非常に高いキュリー温度を得ることに成功した。4.GaAs中MnAsナノクラスター(GaAs : MnAs)を用いたヘテロ構造におけるトンネル磁気抵抗効果(TMR)の振動現象の観測およびその解析MnAs/AlAs/GaAs : MnAsヘテロ構造において、AlAs膜厚の増大に伴うTMRの振動現象を観測した。電子のトンネルにGaAsのX点を介したトンネル現象が寄与している可能性が高いことを示した。
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