研究概要 |
IV族混晶半導体の高能率形成を行うため,各種の固体原料(Ge,グラファイト,SiC焼結体)を大気圧水素プラズマ(200Torr〜760Torr)に暴露することにより生じるエッチング反応を調査した.その結果,GeおよびSiCでは,試料温度150℃〜600℃にかけて指数関数的にエッチングレートが低下することが分かった.Geにおいては,150℃以下に試料温度を低下させるとエッチングレートが低下することが判明した.一方グラファイト試料を用いた場合では,室温〜700℃の試料温度に対してエッチングレートは単調に増加することが分かった.また今回の実験条件,VHF(150MHz)電力密度23W/cm^2,水素流量10l/min,電極試料間距離0.5mmにおいて得られた各種資料の最大エッチングレートは,Geに対して10nm/min, SiCに対して34nm/min,グラファイトに対して160nm/minがそれぞれ得られた.最大エッチングレートは入力する電力によりさらに上昇させることが可能であることも判明した. 以上得られたエッチングレートの知見に基づきGe, SiGe, SiC薄膜の形成を行った.なおグラファイトは,Siと正反対のエッチング特性を試料温度に対して示すため,電極への設置方法を工夫した. Si基板上へのGe成膜を行った場合,基板温度400℃以上でエピタキシャル成長していることが分かった.一方SiおよびGeを同時に電極へ設置し成膜を行った場合,SiGe混晶薄膜の形成に成功し,今回行ったターゲットの面積比に於いてSi : Ge=1:4となることが分かった.さらに基板温度を700℃に上昇させるとSi基板上ヘヘテロエピタキシャル成長することが明らかになった.
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