データストレージでは常に超高密度化・高転送レート化が要請されている。従来の交番磁界を用いた磁化反転手法においては強磁性共鳴限界として知られる不可避な問題が存在し、飛躍的高速化のため新規な原理に基づく高速スピン制御法が求められている。本研究では、新規超高速磁化制御手法として高強度超短パルスレーザを用い現状を打破する原理解明を目的とした。 本年度の主な成果は以下の通りである。 記録媒体材料として知られるフェリ磁性GdFeCo合金薄膜に関して、 1.非熱的光誘起磁化応答の観察に成功し、その作用が光の進行方向へ磁界を加えたことと等価で、円偏光のヘリシティ(右回りあるいは左回り)の選択により制御可能であり、現象論的に逆ファラデー効果で説明できることを明らかにした。 2.フェムト秒パルスレーザを光源とした円偏光を用い、GdFeCo薄膜に対しパルス長40fs(フェムト秒:10^-15秒)の単一パルス照射のみで完全磁化反転できることを実証した。
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