研究概要 |
本研究は,レーザマニピュレーション装置における焦点距離,光偏向機能,干渉効果及び楕円形状の屈折率分布特性すなわちアナモルフィックレンズ特性を有する液晶光学デバイスの最適設計・試作を行い,機械的制御系を一切必要としない新規なレーザマニピュレーション装置を構築することを目的としている。すなわち,液晶分子配向シミュレーションに基づいた液晶光学デバイスの設計指針により,設計・作製を行う。次に,液晶光学デバイスを用いた微粒子の光捕捉,3次元位置制御を試み,光捕捉した異方性を有する微粒子の回転制御の可能性を確認し,液晶光学デバイスによる干渉縞の明部を利用した複数微粒子の移動制御を試みることである。 本年度(〜平成19年3月31日)の研究実績を以下に示す (1)液晶光学デバイスと対物レンズを組み合わせた複合レンズの構築 焦点距離及び光偏向機能を有する多分割パターン電極構造の液晶光学デバイスの作製を行い,液晶分子配向及び光学特性のシミュレーション解析等を用いて,各種パラメータの設計値を求め,最適なデバイスの基本設計を立てた。その設計に基づいて実際に試作し,光学特性の評価を行った。次に,微粒子の光捕捉および移動操作について実験を行った。 (2)幾何学的異方性を有する微粒子の光捕捉,3次元位置制御及び回転制御 楕円形状の屈折率分布特性すなわちアナモルフィックレンズ特性を有する液晶光学デバイスを構成し,レーザマニピュレーション装置に適用を行った。この装置を用いて,微粒子等の光捕捉・位置制御さらに回転制御を行った。 (3)液晶光学デバイスを用いた複数の微粒子等の3次元独立位置制御 液晶光学デバイス(例えば液晶プリズム及びくさび型液晶セル)における干渉縞の明部を利用した複数の微粒子の光捕捉,及び電圧変化による移動制御を行った。 以上の研究成果に対する評価を行ったので、次年度への改善すべき問題点等を明確にすることができた。
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