研究概要 |
本研究の目的は、ミリ波帯において、高感度で高い角度分解能を有するパッシブイメージング用高周波モジュールの実現である。電波レンズの焦点付近にホーンアンテナが配列されており、密に配列することにより高い分解能を実現する。各ホーンアンテナには導波管マイクロストリップ線路変換器を介して検波器が接続されており、アンテナで受信された電力は、検波器により直流信号に変換される。この構成により、(1)単指向性のアンテナで、(2)構成されるすべてのコンポーネントが広帯域性を有し、(3)平面回路である検波器との整合性の良いアンテナ構成で、(4)低コストでかつ高性能が期待できる薄型化、集積化の可能なミリ波アンテナ検波器モジュールの実現を目的とする。 本年度の研究実施項目は,以下の通り,検波器の開発とアンテナの開発の2項目からなる. 1.広帯域検波器の考案と回路シミュレータを用いた設計技術の確立 目標:76.5GHz±5GHzの範囲において、検波器の感度1000Volt/Watt以上 結果:76.5GHzをほぼ中心に、検波器の感度が1000V/W以上となる周波数帯域は7.5GHzとなった。ピークの感度の最大値は、約1700V/Wが得られ、概ね所望の特性が得られたと考える。 2.広帯域にわたって所望の指向性が維持されるレンズとホーンアンテナの一体設計 目標:レンズアンテナのピーク利得40dBi、検知範囲±10度で利得の低下量2dB以内。 結果:ミリ波帯の測定の結果、60〜90GHzの範囲で、40〜45dBiの範囲に含まれ、効率も75%にも達する。よって、概ね目標値を達成していると考える。
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