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2007 年度 実績報告書

トランジスタのしきい電圧以下の電源で動作し消費電流がμA級の集積化信号処理回路

研究課題

研究課題/領域番号 18760273
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

和田 和千  豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (00302943)

キーワードアナログフィルタ / 低電力 / 低電圧 / 縦積み / 弱反転 / 基板効果
研究概要

これまでに実現した低電圧回路を利用して,低電力フィルタを実現した.ます,二つの低電圧回路が電源電圧を分割して使用し,消費する電流が共通となるように,電源間に直列に接続(縦積み)にした構成を提案した.使用可能な電源電圧に余裕がある場合に発生する余分な電力損失を減らすことができる.単に接続しただけでは上下段の回路の信号電流が異なるため動作点がずれてしまうことから,上下二つ回路の接続点を定電位回路で固定する.次に,この構成法の具体的な適用例として,既に動作を確認している0.6V積分器を利用して,2次低域通過フィルタを設計し,試作と測定を通して性能を評価した.電源電圧1.2Vの下で,音声帯域信号処理への応用が可能な2kHz帯域のフィルタが動作し,理想特性と非常によく一致する周波数特性を得られている.消費電力は18μWと超低消費電力であり,また,60dB以上のダイナミックレンジを達成できている.縦積み構成は上下段間の節点に定電位回路を要するため,その消費電力が余計に必要になる懸念があったが,この設計例では全体のおおよそ1割に止められている.さらに本研究では,上下段の回路の特性にトランジスタの基板効果に起因する僅かな不整合が生じる問題も考察し,改善手法を検討した.以上の結栗は,基底アナログ信号の処理回路を低電力化するのに縦積み構成が有効であることを示しており,乾電池等により駆動しても長時間使用が可能な携帯電子機器の設計に寄与しうる成果である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 基板効果によって増加する2段縦積みフィルタの消費電流とその抑圧2008

    • 著者名/発表者名
      神野勇二, 和田和千, 田所嘉昭
    • 学会等名
      平成19年度第3回電気学会東海支部若手セミナー
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      2008-03-13
  • [学会発表] A 1.2-V 18-μW Bias Current Reuse Log Domain Filter for Hearing Aid Application2007

    • 著者名/発表者名
      秋田一平, 和田和千, 田所嘉昭
    • 学会等名
      2007 IEEJ International Analog VLSI Workshop
    • 発表場所
      リムリック(アイルランド)
    • 年月日
      2007-11-08

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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