研究概要 |
光回路の高精度な解析・設計を行うために大規模化する数値解析モデルに対して高効率な数値解析を実現するために,PCクラスタをはじめとする並列・分散処理環境に対応し,かつ,効率のよい並列・分散処理を行うために並列・分散処理に関するプリプロセス部分における新たな負荷を数値解析システムのユーザである光回路の設計者に意識させることのない,プリプロセスとメインプロセスの間に繋ぎ目のないシームレスな光回路の解析・設計手法の実現を目的として,空間の離散化にメッシュレス法の一種であり,有限要素法(FEM)を直接メッシュレス化したフリーメッシュ法を適用した時間領域ビーム伝搬法(TD-BPM)の開発を新たに行った. 本研究では,広帯域解析のためのパデ近似,解析領域端において生じるスプリアス反射を抑制するための完全整合層(PML)吸収境界条件を導入することによって本手法の高性能化を行っている.また,与えられた節点分布から各中心節点の周囲に分布する衛星節点を選択し局所要素を作成する際に,衛星節点の候補となる節点の探索アルゴリズムとして,木構造を用いることによって効率のよい探索を行うことができるとともに,3次元への拡張も用意である長方形領域探索アルゴリズムを採用することによって,局所要素および全体行列の作成の効率化を実現している. 具体的に,本手法を屈折率変調型光グレーティングの特性解析に適用することによって,本手法の妥当性および有効性を確認している.
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