研究概要 |
研究代表者は、これまでにターボ符号の基礎となっている畳込み符号について、ビタビ復号を適用したシステムの誤り率の厳密解析法を明らかにしてきた。本研究では、まず、ターボ符号の復号器の基礎となるMax-Log-MAP復号について、拘束長が2の畳込み符号の誤り率の理論解析を行った結果をまとめてIEEE Transactions on Information Theoryの論文誌に投稿して採録された。また、畳込み符号の拘束長を3に拡張したときの誤り性能解析を行ってシミュレーション結果と比較して両者が一致することを明らかにした。この結果については平成18年度に国際シンポジウムISITA2006で成果報告を行った後、電子情報通信学会論文誌に投稿した(査読結果は現在のところ条件付き採録)。 上記の研究と並行して、研究代表者はこれまでに非再帰型畳込み符号の入出力重み分布の導出方法を明らかにしており、平成19年度は、畳込み符号を直列に連接した場合について解析を行い、連接符号の全体の入出力重み分布が符号長依存しない形の一般式で表せることを理論的に明らかにし、シミュレーション結果と比較した。その結果は国際会議6th International Conference on Information, Communication, and Signal processing (ICICS2007)において研究成果の発表を行った。 さらに、上記の畳込み符号の入出力重み分布の解析法について、より明確に証明できる解析法を提案し、電子情報通信学会研究会において報告を行っている。
|