研究概要 |
本年度の本研究の目的は、PCから輻射される電磁波に起因するモニター表示画像情報の漏洩に関して、 (1)PCから射される電磁波の測定方法についての検討 (2)測定した輻射電磁波と含有する情報の評価に対する検討 (3)情報漏洩対策ソフトウェアの開発 を行うことである。 (1)および(2)に関しては、国際電気通信連合(ITU : International Telecommunication Union)電気通信標準化部門(Telecommunication Standardization Sector)においても国際標準勧告の策定"K.leakage : Test method and reauirements against information leak through unintentional EM emission"が進められており、本研究の成果を国際標準化会議寄与文書として2006年10月の国際会議に提出し発表した(ITU-T SG5 TD355"Draft text of Recommendation K.leakage",WEB(http://www.itu.int/ITU-T/studygroups/com05/ index.asp, TIES account required to download the document)。 また、本研究はこれまでセキュリティ分野で議論が行われていたが、電磁波の測定方法について深い議論を行うため、電子情報通信学会電磁環境工学研究専門委員会 電気・電子機器のEMCワークショップにおいて発表を行なった.また、デジタル伝送型のPCにおいても、液晶モニターからモニター示画像が放電磁波に起して漏洩ることを実験により検証し、その結果を2007年暗号と情報セキュリティシンポジウムにおいて発表した。 (3)に関しては、株式会社ビヨンディットと共同研究契約を結び、モニター表示画像信号に起因する電磁放射を抑制する方法をMicroSoft Windowsのアプリケーションに組込み、情報ファイルを表示した場合に画面傍受により表示画像内の文字情報を漏洩させない方法を開発し、特許出願を行った(特願2006-334530)。
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