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2006 年度 実績報告書

センサ・信号処理を同一素子で可能な能動素子を用いた半導体集積化圧力センサの研究

研究課題

研究課題/領域番号 18760299
研究機関山形大学

研究代表者

原田 知親  山形大学, 工学部, 助手 (50375317)

キーワード能動型ひずみセンサ / SOI-nMOSFET / SOI基板 / 弱反転動作アナログ回路 / 極低電圧動作 / 極低電圧センサ
研究概要

【研究実績】本研究では、圧力センサの高機能高集積化を目指し、周辺回路を含んだ圧力センサをすべて同一のトランジスタ等の能動素子のみで構成し、その回路で複数の機能(センシングと信号処理)を実現し、外界の温度や製造時のばらつきといった環境の変化に非依存で、かつ自律的に修正する機構を備えた半導体集積化圧力センサの試作研究を目的とする。平成18年度では、半導体圧力センサを構成するひずみ検出素子の検討とひずみ特性の評価、周辺回路の低電圧化に対する動作解析を行なった。まず、半導体圧力センサを構成するひずみ検出素子の検討とひずみ特性の評価であるが、抵抗値のばらつきを電圧によって調整可能な素子として、チャネル抵抗をゲート電圧で制御できるMOSFETを用いた。またMEMS構造を容易に製作可能な基板としてSOI (Silicon On Insulator)基板を用い、SOI基板上にSOI-nMOSFETを試作した。ひずみ特性を検証するために、片持ち梁曲げ試験を、試作したSOI-nMOSFETに対して行なった。そして、SOI-nMOSFETの応力印加による電子移動度の変化を測定することでひずみ特性を評価した。その結果、引張応力に対して増加し、圧縮応力に対して減少した。また、チャネルに対して平行に応力を印加した場合(変化率:139TPa^<-1>)のほうが、垂直に応力を印加した場合(変化率:82TPa^<-1>)よりも移動度の変化が大きいことを確認できた。次に、周辺回路の低電圧化に対する動作解析であるが、今後の微細化に伴う低電圧化により、センサを含めたアナログ回路の動作がどのように変化するのか、簡単な構成のオペアンプを設計し、集積回路として試作した。その結果、構成するMOSFETを強反転領域で動作させると、MOSFETのもつ閾値によりアナログ回路の動作範囲が制限されるが、弱反転領域にまで電源電圧を減少させると、強反転と同じように動作するが、動作範囲については緩和されることが明らかになった。また消費電力においては、強反転領域動作では、数μWであるが、弱反転領域で動作させると、その100分の一以下にまで減少させることができるため、半年以上のバッテリー駆動で稼動できるセンサとして利用可能であることがわかった。今後は、これらを踏まえ、実際に低電圧化した圧力センサとしての評価を行ないたい。
【研究発表(口頭発表)】能動型ひずみ素子の理論的考察と周辺回路の低電圧化の検証が現在も一部引き続いて行なっている関係で雑誌論文投稿までのレベルに達していないが、口頭発表においては2件行なった。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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