研究課題
科学技術の発展とともに様々なシステムの自動化が目指されているが、自動車、航空機、プラント操業などの現実社会で稼動するシステムに対して、完全に自動で起こりうる全ての事象に対応することは難しく、また状況に応じて高度な判断が要求される場合があるため、人間による手動制御が必要不可欠である。しかし、不安定なシステムの安定化・高効率化・高性能化には自動制御が欠かせない技術であり、数多くの実システムでは手動制御と自動制御が混在している。このような手動制御と自動制御が混在するシステムでは、それぞれの制御が相反する場合がある。手動制御と自動制御の折衝・協調・融合を考慮したSafe-Manual Control(以下、SMCと略す)の必要性・重要性を極めて強く示唆している。本申請研究では、高度SMC制御系の開発を目指し、理論的研究の発展とその応用に努めた。まず、操作者の操作能力の熟達程度に応じて、手動制御と自動制御の影響度合を自動的に変化させた、Human Adaptiveな要素を含んだSMC制御系の提案を行った。これを、操作者の筋電位を入力インターフェースとし、発生した筋電位によって機械を操作するシステムへ応用した。筋電位は随意に動かすことはできるがその微細な調整は非常に困難である。そこで、自動制御をそこに介在させ、特に、うまく筋電位を制御できない初心者に、系の安定性を保持しつつ、かつ操作に熟達させるという役割を同時にこなすSMC制御系を実現することができた。また、身近なシステムとして二輪車にSMC制御を適用し、二輪車に乗れない初心者にも安全かつ随意に制御できる自動二輪車システムの開発を行った。
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International Journal of Assistive Robotics and Mechatronics Vol.8, No.1
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