• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

カオス時系列解析法による打音法の高度化と日常点検効率化に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 18760351
研究機関神戸大学

研究代表者

野村 泰稔  神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (20372667)

キーワードカオス時系列解析法 / アトラクタ解析 / リアプノフ指数解析 / 離散Wavelet変換 / 鋼・コンクリート合成床版 / 打音法 / 構造ヘルスモニタリング
研究概要

1.打音データの再構成アトラクタの収束特性評価に基づく状態識別能力の調査
18年度は,日常点検に広く使用される打音法の問題点を明らかにするとともに,カオス時系列解析法を用いて再構成アトラクタの収束特性を評価し,鋼・コンクリート合成床版内部の状態識別可能性を調査した.得られた知見を以下にまとめる.
・剥離モデルの大きさ,打撃音の測定条件によっては,周波数領域を調査するだけでは健全部と剥離モデルを有する部位を差別化できないことが明らかとなった。
・提案手法はFFTでは認識できなかった小さな剥離モデルに対しても,再構成アトラクタの位相構造の違いを敏感にとらえ,憲全部と差別化でき,さらには剥離モデルの規模に応じた定量評価が可能となった.
2.打音データの離散Wavelet変換による時間周波数特性の評価
さらに18年度は19年度の研究計画の1つである「打音データのWavelet変換による時間周波数特性の評価」を実施し,打音データの各レベルのWavelet係数を評価した.得られた知見を以下に記す.
・健全部から得られる打音データに関しては合成床版の形式に関係なく,全てのレベルの係数が早い段階で収束し,各レベルの係数の大きさに顕著な違いは見当たらなかった.
・大きな剥離モデルを有する部位から得られた2,3次の係数は1次レベルのそれと比べて大きく,健全部から得られた係数より緩やかに減衰することが確認された.
・小さな剥離モデルを有する部位から得られた1次レベルの係数が他のレベルのそれと比較して最も大きくなることが確認された.
3.カオス時系列解析法を用いた構造ヘルスモニタリング
18年度はさらに,カオス時系列解析法に基づく異常診断法を拡張するために,線形構造物の損傷推定を行った.結果として,構造物の応答アトラクタを評価することで1%の剛性低下が発生する部材を特定し,数値的にその有効性を確認した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Impact acoustics of concrete structures by applying Discrete Wavelet Transform2006

    • 著者名/発表者名
      Yasutoshi NOMURA
    • 雑誌名

      Proc. of the 3rd International Conference on Bridge Maintenance, Safety and Management (CDROM)

  • [雑誌論文] Structural Health Monitoring based on Soft Computing2006

    • 著者名/発表者名
      Yasutoshi NOMURA
    • 雑誌名

      Proc. of 4th International Symposium on Steel Structures Vol. 1

      ページ: 267-274

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi